T.2.G.D.

ゲーム、映画、アニメ、ときどきSEこぼれ話

【感想】天秤①

モンスター文庫その二。




①過激すぎるラブ要素
少女漫画ばりにあっさりとセックスするし、いわゆる女の子と仲良くなっていく、みたいなプロセスをぶっ飛ばしているのが、良い意味でも悪い意味でもなろう的。
キャラが深ぼられる前にみんな抱かれたがってるので、キャラ差別化が難しそう。
ヒロインは名前も容姿も神様のメモ帳だし、その友人はテンプレツインテール。仲良くなる前に病んでる部分を見せられて、主人公は性格ひん曲がってるからいいかもだけど、読者はどうかな。
私はグロエロゲーで頭おかしくなるキャラを何人も見てきたので、むしろテンプレ過ぎてキャラが軽くて辛かった。しかも孤児設定は量産しちゃうのかよ。

②主人公が付与魔法と召喚魔法を天秤にかけない
っていうかこいつ天秤持ってないよ。いじめられて殺されるから殺しますって、ネジがないだけでしょう。
魔法は結局順番に伸ばして、順当に強くなってる。一巻終了時点で3-3。まじかよ。
最初は人間不信で召喚取ろうとするけど付与魔法を取っちゃうみたいな天秤かと思ったけど、むしろ付与優先じゃねーか。これだと残酷な面とかなしにただの意気地なしで弱虫で依存癖のある雑魚なんだけど。
天秤にかけるって、平衡保って上げるって意味だったんですね。

③ステータスのシステム制御は良し。
 ゲーム的世界への転生はこういうのが見たかったんだよ!ネクストライフはまじで糞だな。例え無双でもシステム的に処理してほしい。そうでなけりゃ異世界転生にしとけ、ゲーム転生にすんな。
 特に良かったのは経験値計算に公倍数を使ったところ。パーティー人数の上限が4でもなく8でもなく6なところに計算を感じる。メンツ増減も含めて。
 惜しむらくは消費MPや、レベルごとの魔法をリストにして欲しかったこと。あとからレベルがバランバランに魔法を出されると緊張感がなくなる。ピンチをすくう魔法がご都合主義的に生えてきそう。

④毎回休憩タイム挟むのか?
同じパターンを繰り返すのはやめよう。強敵に襲われる前に必ずレベルアップでタイム挟むのは。計算間違えして誰か死ぬならいいけど、1巻の中で見ればそんなこともなく同じ展開を繰り返していたのはだるい。読み飛ばしちゃうよ。

⑤無限インターネットはマンチの夢を見るか
これは軍師と同じなんだけど……知識が無限に出てくる装置はマジで危ない。何を知ることが出来るのか、出来ないのか、性格の悪い読者はここで足が止まる。
どのレベルまでの知識を得られるのか。経験値は知ることができないのか。近隣の地理は。オークの規模は。
主人公がゲームの知識を基準にしていて、勘違いから知るべきことを見逃してピンチになる、とか、ピンチのための舞台装置でないとしんどい。
しかも設定説明のためにぽろぽろ情報が出てくるから、主人公の調べ逃しが単純に作者の情報包囲網の穴になる。
世の中自分より頭のいい読者を想定しないとね。


⑦絵に動きがない。
絵にしてるシーンが動きのないシーンなせいもあるけど、女の子の立ち絵ばかり。地魔法を覚えた女の子とか今のとこ何もしてないし、挿絵必要でしたか?
そんな事よりエリートオークが咆哮してるところや、アリスが喉をやりで突き刺すシーンの挿絵ください。あといきなり裸の女の子の絵が出てきても、白黒で描写も足りないから誰が誰かわからん。名前を書け。一々口絵に戻ると思うなよ。
あと編集のセンスかもしれないし、男性読者しか狙ってないのかもしれないけど、三枚目の口絵とセリフ選び、キモすぎる。普通にキスしてるところでいいだろ。


以上。
元のやつを読んでないけど、軍師も天秤も一巻で話収めるつもりなさすぎないか?続くって終わっても続き買うとはかぎんねーぞ?面白くもなけりゃタイトル詐欺で終わって最悪だよ。

でもネクストライフの万倍面白かったです。
頑張ってください。