NewYorkを守るエージェントに成れる!Divisionのススメ(v1.8)
スプラトゥーン最後のフェス記事から約一年。
ついにスプラトゥーン2の記事を書くときが来たか、というとそうではなく「Tom Clancy's The Division」の話です。
スプラ2はプロコン買ったら本気出します。
致死性の高い「ドルインフル」と呼ばれる感染症がブラックフライデーに拡散し、ニューヨークには死体の山が積み上がる。
生き残った市民は善良な者ばかりではない。暴徒。菌ごと全てを燃やそうとする"クリーナーズ"。刑務所から脱獄してきた犯罪者集団"ライカーズ"。元PMCの傭兵を集めた"LMB"。
彼らの暴力に怯え、日々悪化していくインフラ環境に震える市民達を守るために、国家から派遣されたエージェント。
それがDivisionであり、アナタだ。
ストーリーの大筋としてはドルインフルの正体を追いながら、NYの混乱を加速させる各組織を壊滅させるような感じです。ストーリーはネタバレになっちゃうので、ゲームとしてのシステムを紹介したい。
Divisionの特徴は3つ。「PvE、PvPエリアが完全に区切られたオンライン箱庭」「レベル制TPSRPG」「AR表現による世界観」という点だ。
PvE、PvPエリアが完全に区切られたオンライン箱庭
Divisionの世界ではNYの中に「ダークゾーン」と呼ばれる隔離エリアがある。ドルインフルの被害が大きかった地域に壁を作って隔離したのだ。
メインストーリーはダークゾーンの外だけで繰り広げられる。つまり殺伐としたPvPで心を濁らせること無く、DivisionとしてNYの悪に立ち向かえるのだ。
このPvEエリアでも四人までのマッチングは出来るので、野良ともフレンドとも協力してNYの平和を守ることが出来る。
ただし。通信の届かないダークゾーンに踏み入れたならば、プレイヤーはストーリーという建前から解放され、己の心に従って行動するしかなくなる。
ダークゾーンの中でもパーティーは組めるが、そこには善悪定かならぬ他のプライヤー達が蔓延っている。暴徒たちと戦っている時に横から援護してくれたエージェントに拍手を送っていたらショットガンでお礼をされる。そんな世界が広がっているのだ。
通信の届かないダークゾーンの中でアナタが何をしていようと、共に平和のために活動するNPCに知られることはない。
逃げ回るのか。対抗するのか。襲うのか。
荒廃したNYという世界観に後押しされて本能のままに活動するエージェント達と、手に汗握る共闘/死闘を楽しみつつ、濃密に描かれたメインストーリーは正義のままに突き進める。
それがDivisionの一つ目の魅力だ。
レベル制TPSRPG
FPSにRPGの要素を導入したゲームで世界的に成功を収めた例を挙げるなら「Borderlands」だろう。3待ってます。
Divisionも同じように、武器や防具にレベル制限がある。プレイヤーは物語を進めつつレベルを上げて、より凶悪な敵の待つニューヨークの東側へ向けて徐々に歩を進めていく。
ハック&スラッシュな楽しみ方を出来るこのレベル制を更に刺激的なものにしているのが「スキル」と「3つのステータス」だ。
Borderlandsではキャラクターごとに固定のスキルツリーを伸ばすMO形式だったが、Divisionでは全員共通のスキル一覧(ツリーではない)からスキルを徐々に取り、最終的には全てのスキルを取った上で二つのスキルを装備してキャラクタービルドをする。
このスキルの組み合わせが無限大に広い。スキルは大きく9種類有り、それぞれのスキルごとに3種類から1つのオプションを付けられる。つまり27パターンあるのだ。
回復と回復。攻撃より補助と攻撃。マップによって有効かどうかも大きく変わる。
時と場合と組み合わせによるが、死ぬスキルは1つもない。手持ちの武器、自分の戦術と相談して自分だけのビルドを組み立てられる。
ただし当然DivisionはTPSであり、銃を撃つのが基本だ。RPGなのでHPもある。
このプレイスタイルのバランスに色付けをするのが防具の3つのステータスだ。
それぞれ「銃器:銃撃ダメージの威力」「スタミナ:HP」「電子機器:スキル効果(攻撃も回復も)」という3つのステータスが防具にランダムで振り分けられる。
スキル一点強化で電子機器だけを伸ばした防具セットも有効だし、盾を構えるスキルでHPを伸ばしてタンクをやることも可能だ。
スキルは補助にしてスナイパーライフルで敵を撃ち抜いてもいいし、全てをバランスよく伸ばして臨機応変に立ち回っても良い。
ただレベルを上げるだけではなく、スキルとステータスの組み合わせでプレイスタイルを一変させたり、自分の道を追求できる。
そしてどんなビルドにしても楽しめるバランスの良さ。
これがDivisionのハクスラRPGとしての魅力だ。
ちなみに勘の良いゲーマーは察していると思うが、狙ったステータス振りの防具をドロップするのにはリアルラックかプレイ時間を必要とする。
古き良きMMORPGを思い出せるぞ。
AR表現による世界観
ゲームとしての魅力は伝わったと思う。TPSによる古き良きMMORPGが追体験出来る箱庭ゲーだ。
だが箱庭ゲーにはもう一つ求められる評価軸がある。それは"世界観の作り込み"だ。
ファンタジーの世界であたかも生きていけるかのような作り込みをするゲームもあれば、世界観とかどうでもよくて箱庭の中で破壊の限りを尽くすぜというゲームもある。
Divisionは前者だ。そしてメインストーリーである感染症の拡大によってパニックになり、荒んでいく人々の過去の様子をつぶさに負うことが出来る。
そのためのアイテムがSHDと呼ばれるアイテムだ。まぁ実在しないので名前はどうでもいい。
このSHDを使うことで、エージェントは落ちている携帯電話から通話の内容を聞いたり、監視カメラから映像を立体視で再現したARで何が起きていたのかを見聞きすることが出来るのだ。
補給物資を手に入れるために警察を襲う暴徒。
行方不明の人物を追いかける際の貴重な証拠。
風邪が流行ってるね、なんて気軽に話していた時の通話ログ。
隣の部屋の住人が死んでいき、神にすがる悲痛な電話。
メインクエストの中でもギミックとして使われるこのSHDの機能だが、箱庭世界の中には数百のログが散りばめられている。
時にはメインストーリーに絡む重要人物が、プレイヤー到着前に何をしていたのかを知ることも出来る。
NYで起きた数々の真実を知らなくても、エージェントはドルインフルの正体とNYの平和に迫ることが出来る。
しかしNY市民のログを知ることで、パンデミックの恐ろしさを体験できることはDivisionの大きな魅力だ。