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[感想]天気の子

だいぶ前だけど天気の子見に行きましたよ、の感想です。

 

いつも通りネタバレあるよ。

 

映画『天気の子』公式サイト

 

 

雑感

天気の子はセカイ系作品でした。

雨を降らせる超常存在による異常気象。自分の身を犠牲に晴れを呼ぶ少女。何者でもない僕。

愛を取るか平和を取るか、みたいに簡単な表現はできなくもないけど、セカイ系ってそれだけじゃないよね。

セカイ系特有の環境に押しつぶされそうな帆高とか、親しくなるシーンの積み重ねとか、昔懐かしな感じでとても良かったです。

 

作品のシナリオ自体はセカイ系としては突飛なものではなく、事前知識なしでも先の展開は読めるけどそれでも面白かった。

音楽や演出とかの素晴らしさは事細かに説明できないけど、昔の作品に比べてワンセンテンスに全てを込めた表現力は格段にブラッシュアップされていたと思いました。

雲の向こう、約束の場所とかでは長々としたモノローグで語られていたことが、天気の子では「だから、これ以上僕たちになにも足さず、僕たちからなにも引かないでください」に集約されてる。当然積み重ねた上でのワンセンテンスなんだけど、あらゆるセカイ系に使える名言じゃないですかね。

 

少年から青年へ

個人的に天気の子で一番良かったのは、須賀さんの存在と、このセリフです。

 

もう大人になれよ、少年

まあ気にすんなよ、青年

 

全くいないわけじゃないけど、セカイ系には良識と包容力のある大人がいません。

Fateの二次創作でヤン・ウェンリーが出てきて大人の常識力で立ちまわってしまう奴があって面白かったけど、それをしてしまうと追い込まれた子供たちが袋小路に追い詰められてしまう展開は描けないわけで。

 

須賀さんにも家庭があって、諦めろと諭すシーンはセカイ系としては至極ありきたりだったけど、エンディングでかけられたセリフは対比もあいまってすごく良かった。これを言ってくれる大人は本当に少ない。

セカイ系のエンディングって、後悔が残ってたり、結局誰にも認められないままここではない何処かへ行ったり、主人公も超常存在になったりして悠久の時を飽きてしまったり、そういう感じだった。

地に足をつけた大人のセリフで認められたことも、最後の大丈夫に繋がったんじゃないでしょうか。

 

小説版とRADWIMPS

君の名はの方は読んでないけど、同時に小説版も執筆してたようです。多忙か。

https://www.amazon.co.jp/dp/4041026407/ref=cm_sw_r_cp_awdb_c_w-kXDbX84BKBT

一人称で陽菜さんや夏美さんの描写もあるし、滝くんが結婚してることがちらっと書かれてたりとか、読んで損はない一冊でした。

やはり映画ありきな、気はしますが。

巻末にのってる監督とRADWIMPSの後書きを読むと、楽曲ありきのシーンもあったことがわかって、作品もそうだけど作り手たちの関係性もエモでした。オススメしておきます。

 

そんなわけで、天気の子は100点満点中10万点でした。